本の感想を書いて紹介しておすすめなどしてみる

本の感想をかくつもりだったブログがいつの間にか雑記帳になりました。

5冊目『天才』石原慎太郎

 こんにちは!今回紹介する本は『天才』です。僕はこれを読んで、田中角栄という人に非常に興味を持ち、尊敬をしました。

 

あらすじ

 高等小学校卒という学歴ながら『日本列島改造論』を引っ提げて総理大臣に就任。比類なき決断力と実行力で大計の日中国交正常化を実現し、関越自動車道上越新幹線を整備、生涯に30以上の議員立法を成立させるなど、激動の戦後政治を牽引した田中角栄
その経歴から総理就任時には「庶民宰相」「今太閤」と国民に持てはやされ、戦後では最高の内閣支持率を得たが、常識を超える金権体質を糾弾され、総理を辞任。その後、ロッキード事件で受託収賄罪に問われて有罪判決を受けるも、100名以上の国会議員が所属する派閥を率い、大平・鈴木・中曽根内閣の誕生に影響力を行使。長らく「闇将軍」「キングメーカー」として政界に君臨した。

そんな希代の政治家・田中角栄といえば、類まれな権謀術数と人心掌握術に注目が集まるが、実はスケールが大きいわりに人一倍デリケートな一面があった。浪花節と映画をこよなく愛する、家族思いの人情家だったという。
強烈な個性をもったリーダーが不在の今、自らも政治家として田中角栄と相まみえた著者が、毀誉褒貶半ばするその真の姿を「田中角栄」のモノローグで描く意欲作。(Amazonの商品紹介より引用)

 

 

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感想

 僕は今まで田中角栄という人については、「最も有名な昭和の総理大臣の一人」、「日本列島改造論」、「学歴がない」、「ロッキード事件」などというイメージがぼんやりあるだけでした。しかし、この本を読んでからぼんやりとあったイメージがより鮮明になり田中角栄ってものすごい人なんだと思いました。そして、もっとこの人のことを知りたいと思いました。

 

 

 初めに言っておきますが、あくまでもこの本は石原慎太郎さんが「俺」という一人称を使って田中角栄氏の一生を書いたものです。だから主人公は田中角栄であって田中角栄でないし、フィクションであるのにノンフィクションにも感じてしまいます。そしてそのような違和感を感じながら読むことになります。この本を読んで田中角栄氏に興味を持った僕はその違和感を感じずに田中角栄氏について知りたいと思いました。

 

 

 言い方は悪いかもしれませんが、田中角栄氏の一生を書いたものなのでインターネットで検索したり他の本を読んだりしても分かるであろう事実で構成された本です。それでは、「この本の魅力は何か?」という話ですよね。

 

 

 それはやっぱりモノローグで書かれているところにあります。田中角栄が何をしたのか、どういう人であったかなんていうのは今の時代いくらでも調べようがあります。しかし、それがモノローグで書かれていることによって生身の人間として田中角栄を感じることが出来ます。これがこの本独自の魅力です。

 

 

 ほかの文献で田中角栄という人を知っても、それを読んだだけで満足してしまいます。でもこの本を読むともっと田中角栄という人物について知りたくなってしまいます。その原因はこれまでに書いた「違和感」と「生身の人間として田中角栄を感じられる」というところにあります。

 

 

 違和感を覚えながらも田中角栄の人間的魅力に触れることで、その違和感を拭うためにもっと知りたくなります。「それでは初めから他の本を読んだ方がいいのではないか 」と思う方もいるでしょう。しかし、生の人間として田中角栄を感じれるからこそその人間的魅力はより鮮明に伝わってきます。客観的に書かれた本ではこうも魅力が伝わってくることはないでしょう。

 

 

 田中角栄氏と直に関わったことがあり、長い間政治の世界で生きてきた石原慎太郎さんだからこそ、ここまで魅力的に書けたのだと思います。

 

最後に

 「田中角栄」という人間の成した偉業とその人間的魅力がたくさん詰まった本です。「今の日本にいてくれたらな」とのようにも感じました。すらすらと読めるので是非読んでみてほしいです。